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甲子園について。

 もともと野球をやっていた人間ではありますが、年々甲子園(夏の高校野球選手権大会)に対して疑問が湧いてきています。まず、なぜわざわざ酷暑の時期にやるのか。あんな真夏に屋外で公式戦を行うスポーツはほとんどなく、1つ上のカテゴリーである大学野球ですら春と秋だけ。社会人野球では都市対抗野球を夏開催しているけど、会場は東京ドームなので屋内。そして体が完全に出来上がっているプロ野球だってナイターでやっています(まあファームは昼やってますが…)。

 真夏の炎天下の中での観戦というのは観客にとってもかなり厳しい条件だし、実際にプレーをしている選手にとってはなおさらです。天然芝の甲子園ならまだしも、地方予選では人工芝の球場で行われることもあり、地表温度はすさまじいことになっています。そんなところでダイビングとかできるでしょうか。火傷どころではすまないような気がしてなりません。熱中症にもかかりやすいだろうし、試合中継の合間にあるNHKニュースの天気予報で「今日は日差しが強く、非常に暑くなります。屋外での運動はなるべく控えるようにしましょう」と言っているのに、なぜ知らんぷりをしているのでしょうか。

 そもそも「スポーツの秋」というなら秋にやればいいでしょう。確かにビジネスとしては(一部の新聞が売り上げを伸ばすという構図になっているので健全とはいえないけど)成り立っているし、それでファンも喜んでいる…というか熱狂的な支持をしています。でもそれでいいんでしょうか。

 過酷な条件ではなく、より快適な条件の中でやった方が、素晴らしいプレーは生まれるんじゃないでしょうか。そしてそういうプレーを生み出した方が、選手たちにとっても、見る側の目を養う意味でもいいはずです。酷暑の中、困難と重圧に立ち向かい、根性と気合を振り絞って馬力で投げるピッチャーは確かに「いい画」、あるいは「物語性のあるヒーロー」にはなりますが、球速は130キロ、あるいは120キロにも満たないけれども涼しい顔をしてコーナーを巧みについて緩急で打ち取る投手も評価されるべきでしょう。馬力ピッチャーも、コンディションが整えばよりいいボールが投げられるはずです。

 また夏休みということで選手たちも学業を意識することなくプレーに集中できるけれども、9月10月で土日を有効活用すればなんとかなるんじゃないでしょうか。選手の移動費がかかるというのであれば、前年度の入場料収入から全額捻出してあげてもいいでしょう。そして、地域ごとをポッド分けして抽選を行い、1次リーグ&決勝トーナメント方式(ナビスコカップ型)にすれば、様々な学校との対戦が見られるし、甲子園だけでなく、電車で1時間はかからない距離内にあるスカイマークスタジアム(こちらも天然芝の素晴らしい球場と評判)を使えば日程進行も相当早くできるはずです。


 先日、夏の甲子園を主催している朝日新聞、そして春のセンバツを主催している毎日新聞がともに営業赤字に転落したというニュースがありました。これからますます高校野球ビジネスに頼るのか、もしくは見直しが行われるのか、多少なりとも変化はあるはずだと考えています。ただ、まずは高野連という組織自体とそこでの意識が変わらない限り、現在の状況は永続的に続いていくのではないかなと思いますが――。
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